【法務省法制審議会・家族法制部会への勧告 4】

2021年11月22日

法務大臣 古川 禎久 様

法務省法制審議会 家族法制部会 部会長 大村敦志 様
法務省法制審議会 家族法制部会 委員の皆様

          任意団体 手づくり民法・法制審議会(担当・宗像 充)

私たちは、離婚と子どもに関する法的問題について議論をしている団体です。常任メンバーには、子どもと不当に引き離された経験を持つ親が多いですが、法制審議会と平行して、市民の視点からの独自の議論を継続的に行っています。

2021年11月13日に当団体で、法務省法制審議会第6回の議論をもとに、第3回「やり直し法制審」の議論をインターネット配信しました(共同親権運動チャンネル)のでどうかご覧ください(「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」のサイトで議事録も公開しています)。

「法制審議会家族法制部会・やり直し法制審」

法務大臣による国の民法法制審議会の諮問事項は「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚及びこれに関連する制度に関する規定等を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい。」ということです。

 そこで、当団体での議論を踏まえ、法制審議会での議論の推移について、以下の点を指摘し、法制審議会における議論への反映を強く求め、勧告、及び質問いたします。

【勧告1】

法制審議会は、法改正の可否、もしくは新たな立法のために議論する場と当団体は認識していますが、これまでの議論を議事録で拝見する限り、おおよそ手続き論に終始し、本質的な問題解決のために具体的な議論がなされた形跡が僅かです。出席者の皆さんには、 今この瞬間にも、法的な保護から疎外され苦しむ被害者が生まれていることを深く認識し、早急に具体的な議論を進行するように再度求めます。

【勧告2】

「親権と看監護―民法第766条、第818条及び819条の成立」(許末恵著:青山学院大学法学叢書・2016年・日本評論社)において、1947年に約半年間だけ施行された暫定民法では共同親権が導入されていたことが指摘されています。これは、天皇制の護持および忠実な兵士育成を主目的とする家父長制から、女性を解放し社会への進出を促す、両性の平等を担保する先進的な法律でした。それが、1948年に発布された現行民法では、単独親権制に逆行しています。この事実は、現行民法が、戦争を支えた戦前の体制を反省せず、家父長制温存を払しょくできなかったことを物語っています。この重要な事実の経緯を、大村部会長などの民法専門家がまとめ、次回審議会期日までに、各委員に周知を図るよう求めます。

この勧告書は請願法に基づき、委員会審議時に各委員に配布回覧してください。また質問への答えは、次回の法制審議会で議論し、回答を取りまとめてください。議事録で確認いたします。                              

  以上