共同親権前夜祭2023.3.2レポート

正午に東京の裁判所前に集まり、情宣をしました。面会交流保全国賠の傍聴に行っていた仲間も加わり、10人程度でチラシを配りましたが、この日はアスベスト訴訟の門前集会とも重なったので、裁判所前は人だらけでやりがいあり。

このところの報道もあったためか、関心も高く、用意したチラシがどんどん刷けていきました。「これは必要だと思う」と話しかけてくれた男性もいたそうです。

裁判では傍聴席がほぼ満席。裁判レポートは以下。

院内集会「親子が親子であるということ それは人権」

 令和5年3月2日(木)15:30より、衆議院第二議員会館で「親子が親子であるということ それは人権」と題した院内集会を行いました。
 まず、原告代表の宗像から挨拶があり、集会に来られた衆議院の田中和徳議員と源馬謙太郎議員の秘書に感謝が述べられた後、参議院の嘉田由紀子議員からご挨拶をいただきました。

―― 挨拶;嘉田由紀子参議院議員 ――
 嘉田議員から、3月3日(金)の法務委員会で、東京新聞が2月28日の記事で親権法案提出が今通常国会で見送りになると報道したことの真偽を斎藤法相に直接質問し、片親家庭の貧困率と児童虐待による殺人率が高いというデータを元に、年間20万人の子どもが片親ロスから救えるのは総理や法相しかいないということを伝える予定である、とのお話がありました(翌日の法務委員会の質疑応答の結果、東京新聞の報道がフェイクニュースであることが明らかになりました)。
(参考)参議院インターネット審議中継
 https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7255#147112

―― スピーチ動画:柳原みきさん(原告) ――
 一昨年亡くなられた柳原賢さんの思いを引き継いで原告となられた、柳原さんの母である柳原みきさんのスピーチ動画が公開され、その後、代表の宗像から、柳原賢さんと母親のみきさんが二人三脚のようにこの国賠を捉えていたということを感じた、とコメントがありました。
https://www.canva.com/design/DAFbo4ZcJRI/z1m8H5yNoyeHd6qLRUBkDw/watch?utm_content=DAFbo4ZcJRI&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=publishsharelink

早めに退席する嘉田議員から、3月3日の予算委員会で、東京新聞の報道について質疑をするという力強い発言。

―― 発言:内田修さん(オンライン参加) ――
 フランス在住の内田さんから、日本の親子問題は制度の問題だという問題提起がありました。
 内田さんはフランス人女性と結婚し、2人の子どもがいましたが、フランス旅行の際に裁判を提起され、原則共同親権の国で、例外的に母親の片親親権という判決が下りました。
 その後、フランスの警察関係者と一緒に問題提起したところ、家庭内調査によって父親阻害が認められ、再度裁判を行った結果、昨年3月に親権を回復し、8月には子どもが父親の家にも行って良いという判決が下りました、また、現在は2週間に1度、子どもたちが内田さんの家に来るそうで、今年のバカンスには4月に1週間、7月8月には1ヶ月間子どもが宿泊する予定であるとのことでした。
 内田さんは、片親親権で失われた10年間はとても長く、親子関係の回復は困難であるが、少しづつ昔の関係を取り戻していきたい、とお話されました。

 お話の後、親権が取れなかった原因に日本人差別があったか、という質問があり、内田さんは、明確なものはなかったが、「日本に住んでいる父親に親権を渡すわけにはいかない」という判決内容はどう考えてもおかしいので、やはりそのようなことがあったのではないか、と回答されました。
 また、裁判の管轄(日本かフランスか)を争ったか、という質問があり、内田さんは、日本からフランスに行って2、3日なのに、フランスで裁判をするのはおかしいと管轄裁判を起こしたが、フランス法では、フランス人がどこの国にいてもフランスで裁判できるという条文があるらしく、それを利用されてフランスで裁判を行うことになり敗訴したので、非常に納得がいかなかった、と回答されました。

―― 最終弁論・結審レポート(稲坂弁護士、古賀弁護士 ――
 稲坂弁護士から、本日、原告側の最終準備書面を提出して結審し、判決日が6月22日14時となったことと、古賀弁護士から柳原みきさんの意見陳述の代読が行われたことの報告がありました。
 意見陳述の代読については、親子の問題が親の親の代にも及ぶことがより立体的に見えたという点では良かったのではないか、とお話され、最終準備書面では、12月22日に行われた鈴木教授の証人尋問での発言が核心を突いており、その点を強く主張したので、判決においても「養育権」という基本的人権について正面から向き合った判断をして欲しい、とお話されました。
 また、古賀弁護士からは、意見陳述書やスピーチ動画作成中のエピソードや、最終準備書面の結語のお話がありました。
 まず、ご高齢で裁判所に来られなかった柳原みきさん本人のスピーチ動画を皆さんに見てもらえて良かった、とお話され、動画作成時には、間接交流で送られてきた成績表や、みきさんがこっそり運動会へ行って撮ってきた写真を見せてもらい、柳原さんが美術館でお子さんの展示を観ることができたといった話を聞くことができた、とお話されました。
 また、意見陳述書については、孫に会えない祖母という立場ではなく、我が子に会えない親を親として見る眼差しや、この現実を伝えたかったので、無事に完成したものを陳述出来てよかった、とお話され、結語は代理人同士で相談し、12月の原告の尋問での言葉を散らばめて仕上げたので判決が楽しみである、とお話されました。

報告の後、国賠原告代表の宗像から、法制審などで当事者が不在で議論が進む中、 本訴訟では唯一当事者として主体性を持ち国の議論を進められたことが一番の成果だった。皆さん思いは違うと思うが、このような無茶苦茶な制度を次世代に引き継ぎたくない、という思いでは共通していると思う、本訴訟開始時から集会に参加していた方は毎回仲間が増えていくのが分わかったと思うが、そういった意味でも本訴訟の意味は重要だったのだろうと思っている、というお話がありました。

「親子の日普及推進委員会」の井上佳子さん。親子の日に至る経過を語る中で、親子について深く考えるようになったということです。

ちばてつやさんからのメッセージを読み上げました。

「NPOアートで社会問題を解決する会キミト」代表の森めぐみさん。突然の離婚からシングルマザーになり、共同親権について関心を持つことになった経過を話してくれました。

もう一つの共同親権訴訟の「自然的親子権・単独親権違憲訴訟」の須田幸雄さん。判決日は4月21日14時になります。

中部共同親権法制化運動の会の橋本篤一郎さん。自助グループの重要性について強調しました。

神奈川 子供の権利を考える会の佐藤創さん。地域での草の根の取り組みを紹介。この後、面会交流保全国賠の方からもアピールがありました。

「カトリック高円寺教会 正義と平和協議会」代表代行の加茂大治さん。カトリック教会での人権の取り組みと離婚のあり方について紹介。

原告団の挨拶をもって集会を終了しました。ありがとうございました。

タイムキーパーのスタッフ。

判決言い渡しは以下です。

6月22日14:00~ 東京地裁705号法廷