手づくり民法・法制審議会第2回 国の法制審に勧告発出

2021年8月7日に進める会も協賛し、「任意団体 手づくり民法・法制審議会」で、法務省法制審議会の第4回の議論をもとに、第2回「やり直し法制審・手づくり法制審議会」の議論をお茶の水で行いました。当日のネット中継は以下で見られます。
【第2回9月11日(土)】めざせ!共同親権 手づくり民法・法制審議会」

当日の議事録は以下です。

当日の議論に基づいて、国の法制審議会に勧告を発出しました。

法務省法制審議会・家族法制部会への勧告 2

2021年9月22日

法務大臣 上川陽子様
法務省法制審議会 家族法制部会 部会長 大村敦志 様
法務省法制審議会 家族法制部会 委員の皆様

長野県下伊那郡大鹿村大河原2208
任意団体 手づくり民法・法制審議会(担当・宗像 充)

私たちは、離婚と子どもに関する法的問題について議論をしている団体です。常任メンバーには、子どもと不当に引き離された経験を持つ親が多いですが、法制審議会と平行して、市民の視点からの独自の議論を継続的に行っています。

2021年8月7日に当団体で、法務省法制審議会の1~3回までの議論をもとに、第1回「やり直し法制審」の議論をインターネット配信しましたのでどうかご覧ください(「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」のサイトで議事録も公開しています)。

【第2回9月11日(土)】めざせ!共同親権 手づくり民法・法制審議会」

国の法務大臣の民法法制審議会の諮問事項は「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚及びこれに関連する制度に関連する制度に関する規定等を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい。」ということです。

そこで、当団体での議論を踏まえ、法制審議会での議論の推移について、以下の点を指摘し、法制審議会における議論への反映を強く求め、勧告いたします。

【勧告1】国内、国外を問わず、大きな社会問題となっている、実子誘拐・引き離しの問題について法制審議会で、一向に議論がなされていません。早急な議論を求めます。

【勧告2】民法改正の検討をするためには、現行の親権制度が、どう位置づけられているのか、一切、触れられていません。議論をして下さい。

【勧告3】海外では、配偶者・パートナーによるDV問題のため、共同親権制度を見直している事情がある、という発言や、それを支持する議論がありますが、共同親権制度を維持した上で、DV被害者と子どもの安全を守るための見直しであることは海外のこうした議論の大前提であり、単純に共同親権を否定するがために為されるこうした議論は、議長が排除して下さるよう、強く求めます。

また、「家族法制部会の進め方に関する事務局たたき台一案」は国民の税金によって作られたものであり、当該問題について、広く国民的議論を喚起するためにも、公表を求めます。

さらに、審議会ご参加の皆様には、法律の不備のため、被害を被り、苦しんでいる子どもや親が、日々増加していることを意識してしてまじめに議論してください。

(資料)参考資料として、共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会発行のリーフレット「知っていますか? 共同親権」を添付いたします。

国の法制審議会では、実子誘拐や共同親権の議論をさせないために、意図的にDVや虐待の問題を持ち出し、片親引き離しの問題についての制度的な改革の必要性を「個別の問題」として片付けようとする委員の誘導的な発言が目につきます。当たり前ですが、これらは「会わせたくないけど金は欲しい」というあからさまな差別発言です。こういった差別発言を規制するとともに、公正な議論のための参考にしてください。

第2回 手づくり法制審議会議事録(9月分)

日時:2021年9月11日(土)15:00~17:00

場所:東京都文京区全労会館 3階会議室

コメンテーター:

[ゲスト]重松朋宏さん

司会 宗像充さん

松村直人さん/加茂大治さん

配信 羽田ゆきまささん

書記・大山直美

内容:前半「やりなおし!法制審」ライブ配信15:10~16:00

後半 参加者と議論、勧告策定

議題:既に公開された、法制審議会家族法制部会第4回会議 議事録をもとに、市民レベルで検証する

・松村氏による論点の提示と見解

法制審議会とは法務省が設置する、法律の立法や答申の役割が与えられた重要な会議である。

9月11日現在、第6回まで開催されたが、公開された議事録は*第4回までなので、当団体として今回扱うのはここまで。(*第5回分は9月10日に公開)

第2、3回で行われた参考人ヒアリングを踏まえた意見交換と養育費に関する論点の検討が行われたが、

ヒアリングについての意見が淡々と述べられたに過ぎない。

今後の進め方について書かれた、「事務局たたき台一案」が非公表にされており、

議論の透明性に欠ける。

養育費については法的性質(権利、請求主体)や控除の話が中心で、委員で広く議論ができていない。

第1~3回目の法制審と同じく、諮問事項「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚及びこれに関連する制度が関する規定を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい」という、設定された問題に対して、解決方法が示される状況にないことを危惧している。

月1回法制審を開催しているにもかかわらず、ヒアリングの感想を述べ合うのに3ヶ月もかかるとは、進行が遅すぎる。

加茂氏の見解

現行法制度で苦しんでいるひとがいることを全く想定しておらず、義憤にかられる。

親権制度に対する理解、議論をすべき。

赤石委員、の、議論についてはノイズとして、名指しで批判して良いと思う。

手づくり法制審は、国の法制審の答申に内容的、スピード的に凌駕する必要がある。そうすることで、建設的な答申作成が可能となり、ひいては、国の法制審を牽制する役割を果たす。

宗像氏の見解

起きている問題を、法律で解決するために開催されているのに、メンバーに自覚がない。

学者の寄り合いに見え、収拾しない懸念がある。

現在の法のせいで、子に会えない、親権がなくて困る、といった、我々の生活に支障をきたしていることがわかっているなら、どのような法の経緯があって、何を変えるべきかを考える必要がある。

法制審が、親権問題に触れないならば、我々手づくり法制審が、ここを起点に考える必要がある。

宗像国賠訴訟での、国の答弁(両性の平等と、個人の尊厳)を引き合いに出しながら、最終的な答申を作成しよう。

赤石委員が述ている、イギリス等で行われようとしている、共同親権下で起きている殺人等の事件に対する法制度の見直しは、単なるマイナーチェンジにしか当たらないことを、国の法制審で指摘するべきである。

委員にはフェミニストが多く入っているのに、男女平等が正面から取り上げられないのは、不自然である。

婚姻中、男が共同養育していなかったことを根拠に、離婚後単独親権にされることがないよう、男女平等の観点から本質的議論をすべき。

重松氏の見解

当事者を委員に入れることが単なる法制審メンバー構成のアリバイになっており、当事者とヒアリングの位置付けが不明。

市役所レベルと比較すると、これだけの膨大な時間をかけることはないし、

どんどん答申を作ってものを言っていくのが普通なので、この法制審は議論をしているけれども、テクニカルな話に終始している。

法制審の前に行われていた研究会報告書の中に、官僚が考える着地点が既にあるはず。

法改正には至らず、養育費と面会交流を議論し、委員になっている当事者も合意し、現行法制度の中でやっていくことになろう。

単独、共同親権問題に触れずに、養育費、面会交流について議論して、不毛である。

葛藤や本当のDVの解決のあり方を出していくことは良いとおもう。

オンライン配信後

参加者からの指摘があり、まず、現行法からの課題抽出をするべきなので

国の法制審、第1~3回目に出されていた、「部会資料 3」をもとに、

P.19の「課題」をベースに我々手づくり法制審で答申を作ることが

提案され、今後の方針として採用が決定。

次回は、現在の法課題の検討と、宗像国賠の国の答弁書を引き合いに出しながら

検討する。パネリストとして高橋孝和氏が次回より参加予定。

次回は10月9日(土)15:10から17:00まで @文京区全労会館

現在の法課題の検討と、宗像国賠の国の答弁書を引き合いに出しながら

検討する。次回よりパネリストとして高橋孝和氏が参加予定。