提訴記念、法務省宛要望書

2019年11月22日

法務大臣 森まさこ 様

共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会

 お世話になります。

 私たちは共同親権を目指す団体です。親の離別により子どもと引き離された経験のある親が主なメンバーですが、養育放棄や親による引き離し行為に遭った経験のある親や子も仲間にいます。

 というのは、民法上に残存した単独親権規定(民法818条、819条各条文)によって生活上の困難や耐え難い苦痛を受けた被害者は、離婚に伴い子どもと引き離された親にもはやとどまらないからです。

 私たちは今日、この単独親権制度を温存させてきたことに対して国の責任を問う国家賠償請求訴訟を提起します。12人の親たちは、単独親権制度があるばかりに子どもと過ごせたはずの時を奪われたことの償いをあなた方に求めます。

 私たちの主張は以下です。

「子どもはパパとママから生まれます。子どもから見て、両親の関係は対等です。結婚・未婚・離婚にかかわらずそれは変わりません。子育ては親の権利です。離婚・未婚は親の選択であり、そのことで子育てが一方の親のみの役割とされるべきではありません。『婚姻中』のみを共同親権制度とする単独親権制度は、子育ての機会均等、男女平等を損ないます。今の時代に必要ありません」

 法務大臣は親権制度について共同親権制度の導入の是非を議論する検討会の設置を今年中にすると述べました。しかしながら問題は、男女平等の日本国憲法を持っていながら、性役割に基づいた男女感から、今に至るまで単独親権制度を撤廃できなかったことです。国が子育てへの男女のかかわりを推し進める中、単独親権制度を温存していることの不合理さは際立っています。ましてや、社会制度の是非を判断するのは私たち民衆であって、一役所や一部の専門家ではありません。内部検討会は重要法案の立法の要件ではありません。よって以下のことを求めます。

要望事項

一 民法を改正し、「婚姻中」のみを共同親権とする単独親権制度の撤廃についての国民的議論を促すために、公聴会、討論会を全国各地で開催してください。また、親子引き離しの被害者を含めた当事者参加の法制審議会を即刻開いて立法を促してください。