1・25シン・共同親権 控訴審判決日ドキュメント

判決日にもかかわらず、まじめな原告と進める会の面々は東京高裁前に集まり、地味にチラシ配りをはじめたのでした。最近話題なので受け取りまずまず。

それで判決は見ての通り。東京高裁16民事部の裁判官は、土田昭彦裁判長、大寄久裁判官、園部直子裁判官。判決読み上げも同日のたくさんの判決の中の1つに収められ、「控訴棄却」。東京高裁のやる気のなさがひときわ際立ってました。
判決文はこちらから
https://k-kokubai.jp/2024/01/26/kousohanketu2024-1-25/

いつも通りに軽さだけが取り得の原告団。一人ぐらいスーツを着る人が増えても性格は変わらない。とはいえ、まじめに声明読み上げましたよ。記者は5社くらいかなあ。

その場で上告を表明しました。

共同親権訴訟・不当判決への進める会の声明

 本日、東京高等裁判所16民事部(土田昭彦裁判長、大寄久裁判官、園部直子裁判官)は、私たちの控訴を棄却しました。私たちは今日の判決を日本の家族法改正議論の中での大きな汚点として記憶にとどめます。同時に、司法の腐敗を如実に示すものとして歴史に残したいと思います。

 2019年11月、私たち12人の原告は、子どもとともに過ごすはずだった失われた時間への償いを求めて国を訴えました(現在は11人)。その間に原告の柳原さんは体調を崩し亡くなっています。ご両親が訴訟を引き継ぎましたが、お孫さんとは会えていません。柳原さんのほか、原告のうち5人はやはり子どもと会えていません。6人の原告には成人したお子さんがいます。大人になっても親に会いに来たりしていません。子どもと会えている原告も、制約された時間で親子を耐え忍んでいます。私たち原告の置かれた状況は、この日本で多くの親子が長年にわたって置かれてきた劣悪な状況の、ほんの一部にすぎません。

 1948年の戦後新民法の施行から76年、戦前の家父長制を引き継いだ民法の単独親権規定を国は維持してきました。司法はそれをもとに多くの親子を生き別れにする判断を重ねてきました。「子どもに会いたい」という、私たちの長年の訴えにもかかわらず、弁護士やマスメディアは私たちを「問題のある別居親」「子どもにつきまとう」と罵倒し続けてきました。2000年にFather’s Websiteが声を挙げ、民法改正を目指してから、いったい何万人の親子が生き別れになってきたのでしょうか。

 私たちは自分たちを被害者だと思い、国を訴える訴訟を起こしました。しかし子どもに会えない親たちもDVの被害を実際受けているとデータで示し、記者会見を開いても、新聞テレビは一社もそれを報じませんでした。ジャニーズ事務所の性加害事件が起きるのは当然です。もっぱら男性の側が被害者になるはずがない、という性役割をもとにした先入観が被害を拡大しました。マスコミは親権問題と同様にその一翼を担ったにすぎません。いったい誰が加害者だったんでしょうか。多くの子どもたちがこの間親を奪われ続けましたが、冷淡にすぎたと思わないではいられません。

 今日の判決はこれまで続けてきた惨劇をこの先も生み続けるという司法の宣言にほかなりません。「パパお金、ママ家事育児」の家族のあり方を規定してきた単独親権民法によって、司法が果たした役割は万死に値します。

 親子引き離しや親権関連の立法不作為の複数の国賠訴訟では、不当判決が続いています。これは選択的夫婦別姓や同姓婚で立法不作為の違憲判断が度々出るのとは対照的です。一方で、各国首脳・閣僚、在日大使館、国連、さらにはEU議会に至るまで、実子誘拐の現状について日本政府に警鐘を鳴らし、家族法改正の申し入れを毎年繰り返しているのは、親権問題だけです。

 法改正の必要に迫られているのは国です。司法は法律判断から逃げ続けてきました。法制審議会家族法制部会での答申が用意されているこの段階においてまで、私たちの問題提起に対し、今日の判決でもやはり反省をすることができませんでした。もはや司法に自浄能力など皆無です。

 今日のこの判決を受けて、国はこの腐敗した司法に公正さを取り戻すべく、直ちに民法改正の国民的な議論を呼びかけるべきです。現在の法制審議会の案は現行の司法運用にお墨付きを与えるものでしかありません。国会は私たち原告と子どもと引き離された被害者の声をあらためて聞き、司法のためでなく、この国で暮らすすべての人々のための民法改革を成し遂げるべきです。

(2024年1月25日 共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会)

院内集会「法制審答申がヤバい」

場所を移動して、衆議院第2議員会館にて、院内集会を開催。こっちは弁護団の記者会見の写真、当日配布資料を院内集会でも配りました。
https://k-kokubai.jp/2024/01/26/kousohanketu2024-1-25/

宗像のほうから簡単に今日の判決の報告と、声明文等の紹介をしました。

この日は「どこがおかしい、何が足りない、法制審案」と題して、法制審議会で用意されている要綱案について、問題点について共有する討論をしました。宗像と、原告の清宮さん、山本さん、それにオンラインでつむぎまどかさんが発言。それぞれ婚外子差別がさらに強調された点、児童虐待の防止がなされない点、婚姻外の共同親権でほんとうに離婚ができるのか、そして先に連れ去った者勝ちを法制審案で防げるのか、様々な角度から問題点があげられました。

フロアは賑やか。

裁判開始当初からいつも来てくれていた嘉田議員。

養育費ピンハネ問題について発言する石井政之さん。

オーストラリア大使館と日本政府の発言記録について情報公開した、音無ほむらこと江藤貴紀(エコーニュース編集部)さん。

実子誘拐被害アンケートと院内集会について発言する、キミトの森めぐみさん。

最後に原告5人から挨拶して終了しました。 次は最高裁。すでに動き始めています。(2024.1.26)