不当判決! 東京地裁(古庄研裁判長、石原拓裁判官)判決文

2023年6月22日、東京地方裁判所で共同親権訴訟の判決が言い渡されました。原告の訴えを棄却する不当判決でした。

原告は弁護団とともに控訴することを記者会見で表明しました。応援下さった皆様、たいへんありがとうございました。また力及ばずで期待されていた皆様には申し訳ありません。「朗報」は先延ばしになりましたが、控訴審に向けた体制づくり急ぎたいと思います。引き続きご注目の上、ご支援をお願いいたします。

判決文は詳細を検討し控訴審では弁護団とともに十分な反論を行なっていきたいと思います。原告の竹内さんは「司法の闇」という言葉で判決を捉えましたが、あまりにも杜撰で後ろ向きの内容の判決文に、多くの親子を生き別れにしてきた司法の無責任ぶりを改めて感じました。(宗像 充 2023.6.23)

判決後の記者会見はこちらから。

6・22不当判決への共同親権運動声明

 本日、東京地裁(古庄研裁判長、伊藤康博、石原拓裁判官)は、養育権侵害、及び立法不作為の訴えを棄却した。私たちは今回の不当判決に憤りを覚えるとともに強く抗議する。

 2019年11月、原告12人の親たちは、現行の単独親権制度の改廃を拒む国の立法不作為を訴える訴訟を提起した。原告らは長年月にわたり子どもと引き離され、筆舌に尽くしがたい苦しみを味わってきた。片親を子どもから排除して、非婚(未婚、離婚)時の単独親権を強制する民法上の規定(民法818条3項「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う」)は、片親による引き離し行為を抑止するどころかお墨付きを与えた。そのため原告らは本来子どもとともに過ごすはずの大切な時間を奪われた。

婚姻内外の法的な地位の差別は憲法14条の平等規定に違反して親の養育権を否定し、憲法13条の幸福追求権を損なった。原告らは法によって親子であることを否定されてきたのだ。

1947年施行の日本国憲法は、戦前の家父長制家制度を一掃する民法改革を促した。しかしながら「婚姻中のみ」共同親権とする現行民法は、婚姻中の夫婦同姓を強制する民法規定とともに、家父長制家制度との妥協の産物である。

現行単独親権民法への反対は男女平等への逆行に他ならない。そのことは1947年の「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」が、個人の尊重と両性の本質的平等を目的として、「婚姻内外問わず」共同親権を適用したことで明らかである。婚姻時に男性の姓に合わせる割合が96%なら、司法は現在94%の割合で女性を親権者にし、育児を男性から取り上げ女性に押し付けてきた。

これら制度は多くの家族の困難の原因になってきた。原告らのみならず、多くの父親・母親をわが子と引き離し、子どもたちは親を選ばされ、そして母親・父親がひたすら「よい親」を演じ、孤立した子育てを強いられてきた。

今日の判決は、75年もの立法不作為に対し、さらなる不毛な歳月をそこに付け加えるものだ。現在、諸外国からの強い批判を浴びて、法制審議会の議論の中で現行単独親権制度を維持することへの否定的な見解も表明されている。その中で現行制度を維持することに、いかなる正当な理由もない。

私たちは、親子生き別れの惨劇をこれ以上司法自らの手で作り続けることを放置することはできない。今日の判決を私たちは受け入れられない。同時に、一刻も早い法改正を立法府に求める。(2023.6.22)

判決文