拝啓 志位和夫 様「ジェンダー平等な親権議論を求める要望書」

2021年6月27日

日本共産党委員長 志位和夫 様

共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会

 私たちは子どもと引き離された経験のある親たちを中心として、親権制度の改革を目指すグループです。単独養育や親子の引き離しの原因となっている単独親権制度の違憲性を問うため、2019年に「共同親権訴訟」として立法不作為の国家賠償請求訴訟を提起しました。

 去る2021年6月8日、日本共産党ジェンダー平等委員会は、「『離婚後共同親権』の拙速導入ではなく、『親権』そのものを見直す民法改正を」という見解(以下「見解」)を表明しました。

 日本の単独親権制度は、家長にのみに単独親権があった明治民法から、日本国憲法のもと、男女平等と個人の尊重に基づき、婚姻中に共同親権がはじめて導入されて以来74年にわたって、婚姻外に単独親権を残しておいたままにしておいたのが実態です。共産党の「見解」が表明するように、「ジェンダー平等社会をめざすために」一掃すべき「戦前の名残」の民法上の規定です。

実際、法的な規範力のある裁判所を経ての離婚のうち、93%は女性が親権を指定されています。この割合は、婚姻時に女性が男性の姓にする割合の96%と大差なく、婚姻時の同姓の強制がジェンダー平等の視点から解消すべきなのと同じ理由で、時代に合わせて解消すべき民法上の規定です。

現行民法は、両親の親権の調整規定のないまま、婚姻外の単独親権制度のみがあることで、男女の性役割の強制を夫婦間の子育てにおける意見の違いの解決方法としています。この事実はすでに周知され、婚姻内外でも、そして社会でも家庭でもジェンダー平等が進まない大きな原因となっています。もちろん家庭生活の解消後には、「見解」が指摘する、養育費の未払いや面会交流の不履行の根本的な誘因として作用ます。しかしながら、「見解」は「親権」の議論には言及してもこの点については触れません。親が親として成長する喜びは権利ですが、「子どものため」と言いつつも、社会のために親が子育てをすることのみに議論を集約させるなら、それは国や家のために養育の義務を家長が負わされていた、戦前と変わらない国家主義思想です。貴党の「見解」はこの点についての反省がないのではないでしょうか。

貴党の「赤旗」紙のインタビュー記事では、「オーストラリアでは、共同監護制度を根本から見直す改正法が2021年に成立」(「共同監護制度 米国での現状は」2021.6.16)といった、誤った記述も見受けられ、あまりにも一面的でした。担当記者と話して面談の約束をしたところ、「会いたくない」と約束を反故にされました。記者は「怖い」「上から言って」と言っていましたが、法制度によって子どもから排除されて二級国民として扱われる私どもとしても、このような対応は「怖い」です。また知己の国会議員事務所に連絡しても応答がありません。こういった扱いは男女平等なのでしょうか。

私たちは、すべての親たちが子育てに喜びを感じられるよう、ジェンダー不平等な単独親権制度の違憲性を問う訴訟を進めています。訴訟にも影響があるため、意見交換を求めました。しかし、この度の貴党の「見解」とその後の対応は、ジェンダー平等の観点から理解できません。貴党や赤旗紙は、私たちの訴訟が負ければ喜びますか。そこで、以下要望いたします。

要望項目

貴党の責任ある立場の方と、ジェンダー平等社会をめざし、戦前の名残である単独親権制度を一掃する民法改正のために、公開で意見交換をする機会を設けてください。