ドキュメント・共同親権の乱

第3回口頭弁論

令和3年3月18日東京地裁にて共同親権を求める裁判が開かれました。

今回の第3回口頭弁論は東京地裁803号法廷で被告である国側が原告の求釈明に対し陳述するはずでした。国からの第2準備書面の内容は「婚姻制度の意義」について積極的な説明がされいないため、原告側から別途回答を求めた。これに対し国側は、第2準備書面をもって回答しているとのこと。

ここで内容確認のため、休廷。裁判官が退席。

この間5分。休廷というレアケースに803号法廷内の原告・傍聴席もざわついている。

10分後再開。

裁判官から原告側に求釈明内容をより具体的な内容での書面提出を求められた。期日は2週間後の4月1日。

これに対し被告側の反論書面提出期日は2か月後の6月1日。

次回期日は6月17日(木)13:30から806号法廷にて。

内容が嚙み合わないことにならないよう具体的な質問、具体的な回答することの方向性が示され、14時に終廷。

終了後、弁護士団から解説がされました。

求釈明内容を整理すると、

1.民法818条3項における非婚の父母を単独親権とする現行法の目的

2.民法818条3項における婚姻中の父母を共同親権とすることの目的

を明らかにされたいと求めています。

結局のところ婚姻制度の意義とは何なのかとの問いに国側は全く答えておらず、さらに求釈明内容をより具体的にするように示すことに至った。

これは、裁判所が国側の回答が回答になっていないことを理解し、議論を嚙合わせるための方向性を示したものと理解できるとのこと。

裁判所に共同親権署名491筆提出

この日は午前中に東京地裁民事第43部に「国の責任を問い共同親権への転換を求める署名」491筆を提出。原告以外にも多くの当事者、賛同者の声を届けるとともに、裁判官にも届けて頂くようお願いした。

また東京家裁では最高裁判所長官及び、東京家庭裁判所所長宛てに「親子の人格的権利を保護する平等な養育時間配分ルールの策定および新型コロナウィルス感染症流行下の審理指針策定の要求書」を提出しました。

院内集会「待ったなし!共同親権」

15時からは場所を衆議院第二議員会館に移して「待ってられない!共同親権」と題し院内集会が開催されました。

裁判の経過を解説する弁護団

集会に先立って、串田誠一衆議院議員、嘉田由紀子参議院員が挨拶されました。前日は札幌地裁で同性婚を認めないのは「違憲」とする判断を示したことを受け、「共同親権」の実現を後押しされたものと言えうるのではないかとの話題に。

ゲストは4名。深尾葉子さんは、kネットで開催したフェミニストの女性監督が男性差別の現実を撮ったドキュメンタリー映画「レッドピル」の上映会で知り合ったとのこと。男女のあり方を「タガメ女」と「カエル男」と称し、婚姻生活を続けている中、婚姻制度に疑問を抱いていたころ、タガメがカエルを触手する場面を見て何かのインスピレーションが沸いて執筆に至ったとのこと。

タガメとは田んぼに生息してカエルの生き血を吸う昆虫のこと。2020年2月に絶滅危惧種に指定されているが、タガメの魂はこういった女性たちに宿り、無抵抗な「カエル男」から搾取している。これらの本も出版にあたってはなかなか許可が出ず、苦労したとのこと。会場からは再版を望む声も。

西牟田靖さんはフリーライター。ご自身は子どもに会えている当事者のひとり。元妻は離婚前に公正証書を作成していた。この書類があるおかげで現在も子どもとの縁が継続している。この部分では元妻に感謝している。うらやましいことですね。離婚をきっかけにkネットの活動を知り、連れ去りの現状を描いた書籍を2冊出版。絶賛販売中。

松野絵里子さんは共同親権訴訟を手掛ける弁護士。海外の事件を手掛ける中、いかに日本の離婚事情がガラパゴス化していることに驚愕し戦っている。立法の未整備のせいで戦いきれない現状に四苦八苦している。「752条審判のキャンペーン」として、民法752条(夫婦の協力義務)に基づき、子どもの養育プラン(共同養育監護計画)の実施を家庭裁判所が命令(審判)することは、現行法の枠組みで可能だとし。賛同者を募っておりますので、こちらもご協力ください。

最後に尾崎瑠美さんはひとり親家庭の子どもに映画「えんとつ町のプペル」の原作絵本を送るプロジェクトを立ち上げ3200世帯の家庭にプレゼントできた。この活動では当初シングルマザーに支援をしたくないという思いの方も多くいた。しかし反響も大きく、絶対別居親に子どもを会わせたくないと思っていた同居親が、この絵本を子どもに読み聞かせたとこで、別居親に連絡をとって交流が始まったという。イタリアやフランスでは親同士がいがみあっていても、子どもに会えない親はあり得ない状況であり、こういったプロジェクトを今後も立ち上げていきたいとこのこと。

今回は「タガメ女」で盛り上がりましたが、昔から反共同親権派の外圧がすごいことが改めてわかりました。皆さん応援よろしくお願いします。

家事事件手続法国賠原告(予定)のアレクサンダー・パトリカラキスさん