そうだったのか! 共同親権 in 福山レポート

 12月21日、広島県の仲間が開催した、共同親権の集まりを福山市の駅の近くの公民館で行いました。歳末ということもあって、参加者は8人ほどでした。最近子どもと会うのが難しくなった人や、以前親権争いをした人、支援にかかわる人がいる中で、一から共同親権と単独親権の違いを示して、どんな議論があるのかというのを説明することもなりました。

当事者の中にいると、一部の盛り上がりで明日にでも共同親権が実現するかのような幻想を抱きがちですが、実情は、「そういう考えがあったんだ」「周囲に夫婦の関係と子どもと親との関係が別物という認識そのものがない」という感想があって、日本全国99%がこういう状況なので、正確な情報とそれを広める努力が必要だとあらためて感じました。

ところで、2011年のルノー車のCMを見せて、フランスでのステップファミリーの状況を紹介したところ、海外では、共同親権は最近では見直されているという議論があるのではと指摘されました。実際、国内の共同親権に反対する文献では、単独親権を守るためにこういった議論が盛んに宣伝されています。

これが事実かどうか、どういった文脈で語られているかどうかについては、全体状況の中で国内に紹介するのが中立的でしょう。しかしながら海外でも、最初から共同親権だった国はまずなくて、当初単独親権だったのが共同親権に移行したという事実自体が日本では知られていません。共同親権を積極採用した国では、親子が引き離されるという事態が例外事例で、日本のように裁判所に面会交流の調停を申し立てても5割しか取り決めができないなんて国はありません(そもそも子どものいる夫婦で協議離婚がありません)。その上、共同親権に移行した国で単独親権に戻した国は一つもありません。

日本の単独親権制度が国際的に見ても優れているのなら、なんで毎年毎年海外の在日大使館が日本政府に、内政干渉と言われる恐れを押してまで、ハーグ条約の履行や親権の問題の解決を求める「外圧」をかけるのでしょうか。

こういった事実は一般には知られていません。一つ一つ事実を広く知らせて世論を作るには、こういった意見交換が欠かせない、それを来場者と再確認した集まりでした。